無題/
アマメ庵
南風が吹く夜は 木戸が震える
通りの向こうの 防波堤の向こうから
波音が聞こえる
一人では広すぎる部屋
蛍光灯は 行き渡らない
障子の穴から 壁の隙間から
夜が覗いている
黙ったままの携帯電話
うっすらと埃が乗ったギターケース
今朝 跳ね除けたままの布団
波音が右から左に流れる
風もないのりカレンダーが揺れる
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