夜明け/夏川ゆう
暗闇を優雅に泳ぐ蛍見て星のない夜星になりきる
新聞に書かれた記事は似たような事件ばかりが並ぶ昨今
言の葉の一つ一つは輝いて君のハートの電球になる
よく晴れた何もない日に思い出す何もない日の珈琲の薫り
ワンルームマンションの灯が消える頃夜明けを目指す空が目覚める
朝風呂に浸かる私の心では夜明けの匂い排除している
君はまだ夜が明けたのを知らなくて鼾に潜む恋愛ストーリー
写真見て朝焼けなのか夕焼けか判断出来ず途方に暮れる
真夜中にリストラされる夢を観た不吉な夢は星にならない
早朝の漁港を覆う深い霧船の明りがぼんやり揺れる
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