塩味/寒雪
 

冷えたワインを片手に
盗んだ車で
湾岸線をドライブ
ぼくときみは
ボニーとクライドを気取って


飲み下すワインが
弾けるようなスピード感が
心地よく
ぼくを酔わせる


飲み干した空瓶を
天空で
したり顔しているお月様に向かって
投げつけてやりたかった


けど
ぼくは
そうする代わりに
泣いていたんだ
大声で
人目を憚らずに
大粒の涙をたくさん零してた


ぼくの唇に
涙が触れる
それがその夜の
ぼくたちに与えられた代償

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