塩味/
寒雪
冷えたワインを片手に
盗んだ車で
湾岸線をドライブ
ぼくときみは
ボニーとクライドを気取って
飲み下すワインが
弾けるようなスピード感が
心地よく
ぼくを酔わせる
飲み干した空瓶を
天空で
したり顔しているお月様に向かって
投げつけてやりたかった
けど
ぼくは
そうする代わりに
泣いていたんだ
大声で
人目を憚らずに
大粒の涙をたくさん零してた
ぼくの唇に
涙が触れる
それがその夜の
ぼくたちに与えられた代償
戻る
編
削
Point
(2)