残虐詩集 独善編/真島正人
 

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そして

呼ばれている接続詞に

つかの間
休息を与えられ
安堵して

母親の洗った
布団に
潜り込み

今日1日の艶やかさを
昨日と
比べることが出来ない

雪が溶けて
新緑が
現れ

僕は
もう少し
そして

すがりつく
接続詞の
指し示す、夜明けに



貝の殻の中に
海の記憶

僕の胸の中に
校庭の記憶

雨が降った朝に
トーストを焼いた
自分の手つきの記憶


幾度も
トーストを
焼いて食べたので

皺の数は
違っている

それらすべてがかさなり
靄のような
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