残虐詩集 独善編/真島正人
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1
そして
と
呼ばれている接続詞に
つかの間
休息を与えられ
安堵して
母親の洗った
布団に
潜り込み
今日1日の艶やかさを
昨日と
比べることが出来ない
雪が溶けて
新緑が
現れ
僕は
もう少し
そして
すがりつく
接続詞の
指し示す、夜明けに
2
貝の殻の中に
海の記憶
僕の胸の中に
校庭の記憶
雨が降った朝に
トーストを焼いた
自分の手つきの記憶
も
幾度も
トーストを
焼いて食べたので
皺の数は
違っている
それらすべてがかさなり
靄のような
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