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寅午
あるとき、家のあるじがかわった
新しいあるじが快適な生活をたのしんでいるとき
古いあるじの亡霊が
新参者をおいだそうと、いたずらをはじめた
南天の枝で窓ガラスをたたく
天井裏でねずみをけしかける
子どもたちは夜中に目ざめ
恐怖の顔をみかわし、布団のなかにかくれる
おやじは慢心と不遜で、高いびき
おやじの耳にはとどかない
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