生きる/攝津正
 
は、本人は深刻に真面目に悩んでいても、傍から客観的に見たら滑稽だという事なのだろうと攝津は考えた。
 昨晩もラジオをやったが、賃労働で草臥れ果てていて、手指が自由に動かぬ。また、眠い。それで散々だったが、リスナーは七人もいた。出来れば自分のベストの状態を多くの人に聴いて貰いたい、と攝津は願ったが、それは困難だった。攝津は、操作が一番簡単だからという理由でらじろぐというサーヴィスを利用していたが、日曜日はアクセスが多くサーバに繋がらない場合がほとんどである。だから日曜日にはSkypeで前田さんやiwaさんと会議通話で放送する事が多い。それもいいが、多くの人に自分の音楽を聴いて貰いたい、とも攝津は願
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