生きる/攝津正
いけないと攝津は思う。今の自分には、地域通貨投げ銭位が丁度良いのだ。そう考えた。地域通貨経済圏と国民通貨経済圏を自在に往還出来る存在になれればいいな、とも夢見た。
また、queerとかgayとかいう通貨を作りたいとも思った。地域通貨売春の夢! わはは。
「自己が無い、これが攝津の宿痾だった。」攝津はそう書いた。その事の意味を詮索してみようと思う。
それは攝津が、民主主義者を自称しつつその実権威主義者だったという事である。柄谷行人なり柳原敏夫なりに依存し、彼らを「超自我」とし、彼らの眼差しのもとで滅私奉公する。その構造は、依存先が鎌田哲哉や西部忠に変っても不変だった。だが、これは奉公
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