雪道/小川 葉
凍りつく雪道を
自転車に乗ってたら
つつつーっと滑った
つつつーっは
るるるーっになって
滑っていく
斜めになった視線の向こうには
生まれたばかりの
ぼくの奥さんが見えていた
はじめまして
ぼくの奥さん!
未来ではいつもお世話になってます!
奥さんを見届けると
るるるーっは
つつつーっになって
やがてぼくは鈍い音をさせて
ガードレールにぶつかって停止した
家に帰ると
奥さんは傷の手当をしてくれた
あなたはぼくに
こんなことをしてくれるために
生まれてきてくれたんですね
その声をさ
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