かいこ/小川 葉
 
 
 
白ヤギさんから届いた手紙を食べている
しかたがないので手紙を書いてしまう
という展開を知りながら
次々と届く手紙を食べている
白い糸を吐きながら
やがて後悔している
黒ヤギなどではなかった
わたしは何者かもわからないまま
白いまゆに包まれていく
その近くでは絹糸を織る鶴が
かなしい声で鳴いている
開けてはならなかった
扉の向こう側で
 
 
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