『こころ』〜『何をいまさら』/真島正人
 
君と僕はずっと
一緒に育ってきたから
君はいまだ僕のことを
幼い頃の
あの何も知らないバカだと思い込んでいる
10年前は僕もバカだった、君もバカだった
同じぐらいかないいや
君のほうが少し賢かったねそれは認めるよ
でもあれから君はあまり大人の心を獲得できずにいて
僕は一方で悩みつづけた
僕は口先ではバカなことをいうよ
でも本当はそうじゃないんだ
今は僕には君が
とてもとても幼く見える
君は
何が真実かわからずに格好のいいことをいう人のことを信じ
君のそばにいた人たちの言葉を信用しない
君は平気で隠れて友達を売るけれど
みんなそれを知っていて注意しないだけなんだ
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