月とオカリナと詩片/仁惰国堕絵師
カリナの音色が恋しくなる。
”本谷美加子”の”Ocarina”というアルバムを聴いてみたりした。
私はこのアルバム1曲目の”風”という曲が好きなのである。
最初にこのアルバムを手にしたとき、ライナーノーツの一番最後には詩片が記載されていて、私は音を聞く前にまずこれを読んだ。
その時、私は直感的に”この人、好きなタイプだ”と感じた。
ほてった頬で歩く夏の夕暮れ
廃線になった線路の上を
ずんずん歩く
小高い丘にさしかかる
煙突、車、工事現場
遠くは音のない世界
遠くを見ると過去が見える
線路の向こうには
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