月とオカリナと詩片/仁惰国堕絵師
昨晩は寝ようと思い床につくもなかなか寝付けず。
起き出してきては、どうしたもんかと考えていた。
ほてった頬を冷ますのに、私にはあの冷えた空気がしばし必要だったのかもしれない。
窓から外を見ればつい先頃の夜の雪など嘘のような、晴れ渡った夜空に月が浮かんでいた。
先日のブルームーンも美しかったが昨晩の月もまたよい月であった。
今の季節は空気が澄んでいるせいか、昼間でも月が見える日がある。
そんなときはついぼんやりと空を仰いでしまうのだが。
昼間にその存在を確認できる感動を除けば、やはり月は夜のものだと勝手に思っている。
窓から見える月を眺めていたら、ふとオカリ
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