土曜の朝のソネット/ma_non_troppo
 
あたたかい紅茶にはちょっとだけ
はちみつを入れておいたよ、砂糖のかわりに
水玉パジャマのきみはまだ半分夢の世界
昨夜はずいぶんうなされていたね
 
朝食の香りに鼻をくすぐられて
ふんわり毛布の中から抜けだしたきみ
重いまぶたをこすりながら大きなあくび
そして「おはよ。いいにおい」って
 
夜の影みたいに分厚かったんだろう
闇の螺旋階段のように永遠とつづく
まぶたの裏側の世界で催されたその劇は
だけど大丈夫、それはただの夢だよ
 
「あ、おいし」ってきみが笑う
ちょうどパンが焼き上がった
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