針土竜/散布すべき薬物の所持2
 
上辺をなぞるように表面的な毒が粉を吹いている
身辺を洗い流すように煌びやかな腺液が熱を持っている

いつでも暗い部屋で一人でいる
それが好きだと胸を張っては言えない
異曲の虫なのかどうかもわからない
ネガポジ反転した自分の遺影が頭の中に浮ぶ
残忍な不生活としか言いようが無い

こだま はあさっての方向に飛んで行き
僕は苦しむことを知らずに逃げ出した

 サザンカの色みたように腐った言い訳をし
 アオザイの華みたように隣人を性転換した
 不確かで遠慮の無いその様は
 走査顕微鏡に見えるナノミクロンの掻傷に似ている
 窓辺に聞こえるのは何とも陰
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