オートマティスム/しめじ
黒い紙から覗く白い耳に無数の鯖が群がっている
僕はどうすればいいのだろうか
あいつにたたきつけた言葉が鞭のようにしなって
眼球を打ち続けるから涙が止まらないのだ
右にも左にも鉄のアイロンが転がっている
僕の耳もアイロンがけして欲しい
方向指示器の余熱で熔けそうな
真っ赤に光るアイロンで
仏壇を背負った暦売りが笑っている
いつだって僕らは誰にもじゃまされず
日めくりをめくり続けることができる
むろん何が書かれているかは分からない
分からないまま僕らは玉砂利の上で口吸いを続ける
そして氷を踏み破る
薄氷を踏み割り続ける
戻る 編 削 Point(0)