受賞者発表(2)/相田 九龍
は若者の、破天荒な無知者の特権なのかもしれないし、一部の〈文学極道〉に触れることのある、あるいは時々覗いてよく知っている読者なら説明の一切は当然不要だろう。しかしながら、わたしのような未知の読者には戸惑い混乱するばかりで初めまったく入り込めない、理解が及ばない内容にみえた。イントロダクションに、小説的な物語を差し挟んで読者をひきつけておきながら批評文を生成してゆく、このあたりはもしかしたら、批評対象作品の反照を表現していたのかもしれず、巧緻で戦略的なテクニックだと深読みできないこともない。もしそうであるのなら、この批評文は実に巧まれたものだと言っていい。
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ポイントで2
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