Sati/あぐり
{引用=
ねぇ、すぐに焼かれて死んでね
って
きみに言われたのに、生きてる
わたしは焼かれなきゃいけなかったのに生きてる
きみがいなくなってから
夜の深みはふくれあがって弾けそうです
きみがいなくなってから
朝のまぶしさはわたしを削りとります
ねぇ、すぐに焼かれて死んでね
きみが言い残した言葉は
わたしのなかになんにも生かさなかった
川岸で煌々と揺らいでいる炎をみている。
ずっと
いつ飛び込めるかってわかんないんです
青貝の蝶たちは羽を焦がしながら舞い散りますが、
わたしの指はまだ白く濡れて
つめたい、な
なんてことを流れる雲の下で反復して呟
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