不登校/ありす
 
小学生だったころ
私の学年には不思議な男の子がいた
その子は明るくて
よく自分から私に話しかけてきていた

でもときに
独りで教室に鍵をかけ
隅で座っていることがあった
また他のときには
いくら話しかけても無反応で
じっと本を読んでいることもあった

「どうしたんだろう」

そんな心配することはなかった
だって日常茶飯事だったから

だけど急に学校に来なくなった
他の男の子に悪口を言われたのだという

その男の子は後に謝ったが
一度も登校することは無かった

「どうしたんだろう」




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