HOME/高杉芹香
その人は穏やかに時間を過す。
あたしの持つそれとは全く違う過し方をする。
今日が何日で、何曜日かも関係ない生き方をしてる。
今日が何日で、何日が勝負日で、とか
何時に会社に着いて何時間は働かなくちゃなんてあたしの日常は
彼には全く関係ない世界。
そんな全く違う時間の過し方をしている2人がいつまでも仲良しなのは
同じ自由を愛する凸と凹ゆえかしら。
平日の深夜、不意に電話してきた彼は
あたしを外に連れ出した。
彼はマンションの下、大きな車であたしを待つ。
乗り込んだらそこには懐かしい匂いがした。
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