エレベーター・ミュージック/クローバー
僕らはちょうどこのあたりで生涯初のキスをした。
ムジカ、声がする、気がする
半透明な△を押す、あのときのように
村の集会所のまんなかで、
チン、と音がする
扉が開いたのだろう。
ムジカ
神に捧げるために、音楽が生まれたという
ミュージックのために祈ろう
隠れた信仰のために、
手鞠歌のように
そして、
子守歌のように。
人だけでは、聞こえない、赦しのために。
上へ向かいます
ムジカ、の声がする、どうぞムジカ。
1・2・3・階数表示は点滅を続ける
そう言えば、私たちはあれから
と、ムジカが語り
そうだったのか、と
初めて聞くふりをして僕が答えた
13・14・15・表示は点滅したまま
ムジカ、君、し
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