よろこび/真島正人
くべられた花について
不確かな言語で話すことは好まれないだろう
私は四角い一遍の箱
私の描いたものがたりは
花と契約をむすばない
私は不届きな体をし
私を洗った水はくさいにおいによごれてしまう
くべられた花は
それだけで大変にうつくしいので
かわいそうにも
透きとおった生しかあたえられない
それは与奪をのがれ
遠いところで
時計と対立して死んでいるのだ
私は脂に汚れた口をうごかした
私の耳は汁を吐きだしたくてふるえていた
私が還元した栄養素は
あぁ
限りなくこの世のものだ
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