葬列の夢/智鶴
 
隙間の空いた小さな窓辺に
虹色素敵な貴方がいるの
こんなに歪じゃなかったのに
貴方が括った鎖のせいで

凍えそうな真昼のお天気でも
傘は要らないの
雨が降って私を濡らしても
傘は欲しくないの

隙間の空いた私の葬列
誰からともなく倒れていくの
漆黒素敵な私のベッドも
隙間風が少しだけ寒くなって

震えている夜中の満月にも
息は託せないの
哀しくないのは嘘じゃないけど
貴方が何処に居るか分からなくて

あんまり貴方が優しいから
夢も見れないわ
未だ幻覚を纏った私を
殺してくれないのね

夢から覚めた私は泣いて
透明儚い溜息を吐く
偽物なら幾らでも暖かく
私の亡霊を慰めてくれるのに

此処を見てよ
私はまだ生きていて
泣いているの
夢を見ていたいの
運命さえ変えてみせて
夜の中に浮かべてみせて
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