ひびく/佐藤真夏
 
時計の針がチクチク鳴っていて
私の脈が皮膚を打つのがそれよりも少しだけ早いのが心配だった

ある晩黒い大きな家の影に
キレイな光ったものが落ちていた
むこうの街かどで青いガスの眼が一つ光っているだけだったので
それをひろって ポケットに入れるなり走って帰った
電灯のそばへ行って よく見ると

かえって何かわからなくなった 石ではなかった 
振ってみると ちゃぽん と鳴って
水が動いている気がした
何かのたまごかもしれないと思って
手のひらをかぶせると少し温かい気もした


一粒の宇宙から
打ち寄せる 心音 が

(((エコーする)))

感情を  溜める
 場所が
       痛くて

     溢れる

       さみしい  の
               かたまり
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