君にキッス/真島正人
消極的に一晩中
消去していたが
どうにもこの方法では
心の皮膚が元に戻らない
いっそ
千切ってしまおうか
柘榴、また実がなるかな?
とか思ったが
それも夢のまた夢だろう
僕は
あわれな野良犬、
柘榴求めて3000里
どこかありませんか、
そうかありませんか
そっか、そか
世の中の悲しみの涙と
この目の涙同じじゃないが
質の違いはあれども心は同じ
どちらも卑しい心です
この肉体の羽、論じれば所詮は
骨でできた骸が動いているだけのこと。
蝸牛よりももっと淋しい
あぁ淋しいよ
どうせならもっと
森のかなたで
体を洗ったあなたを侵したい
騎譲位でも
正
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