西日/小川 葉
 


正直者が
墓を見ている

使い古された言葉のように
花が一輪
添えられている

祈ることが
生きることになって久しい
誰もいない部屋に
また電話してる

かなしみが
骨を震わせている
隙間にはまだあたたかい
西日が残っている


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