言葉だけがむなしく響く。/真島正人
 
私たちの窪みは誰も落とさない



高望みからありふれた事実へと導線が導く



穢されてはならないと語るときの硬直が面白い



『大きな前提』が言い忘れた言葉を私たちが捉えることは出来ない



数え切れないアフォリズムを伴って昨日

『黒い塊』が聖堂の前で殺されていた

むごたらしい汚れた死体だった、



そこにあったのはただの静だ

ちっぽけなそして測りきれない生命のゆらめきを私たちは軍備していた



空から一羽のカラスが舞い降りたのだが

私たちの目はそらされた



私は呟きをもらすことの出来ない
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