春色賛歌/岬かおり
 
ないよ。

僕ではない他の誰かの手を取ったとしても

怒りはしないよ。



この先の誰よりも、僕は幸せだ。



君の言葉の結晶を深く深く抱きしめて

もう少し、木漏れ日に目を細めていようと思う。



コーヒーが冷めきってしまったら

行こうかな。

行けるかな。



ゆく先で君の小さな足跡を見つけたら

何千

何億

ありったけの「ありがとう」を込めて、



一つ、空に向かって歌おう。



君への、賛歌。
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