壁に染みつく/夏川ゆう
 
新築の病棟に移ること決まり彷徨う記憶壁に染みつく

漢字書き国語の授業受けている児童等の顔覗く向日葵

友達は逢えばいつでも愚痴ばかり愚痴の塊みたいな素顔

知り合いの言葉に少し傷ついて話半分ダークに染まる

永遠を信じなくても大丈夫どの魂も永遠を知る

「胸の中立ち入り禁止だからもう忘れなさい」と無言の圧力

マンションの非常階段駆け上がる浮気相手の秘密の通路

夕闇を自転車に乗りかけ巡る川沿いの道ループに見えた
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