労働/攝津正
断したのは、幾ら資格があっても、三十四歳、三十五歳で未経験ではどこの企業も雇うまいと予測したからであった。よく世間では、三十五歳限界説というのが囁かれている。正社員での就職は三十五歳迄が限界だというものである。そして攝津は、丁度その三十五歳に差し掛かろうとしていた。資格を取るにしても半年や一年、二年は掛かる。三十五歳を過ぎてしまうではないか! それで攝津は自分の人生の可能性が閉ざされたと感じ、今の仕事も厭になって寝込んでしまったのである。だが、正社員でなくとも、フリーターのままでも、働けて生きていけるならばそれでよい、と攝津は考えを改めた。
攝津は毎日欠かさずブログを書く。誰に読ませるでも
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