労働/攝津正
っても要するに雑用係だった。どういうわけかパソコンの専門家に祭り上げられ、攝津にそんな知識などないのにその塾のホームページを作成させられたりした。上司は民主党支持でネオリベな人だった。モラロジーというのに熱中していた。攝津は仕事としてモラロジーのテキストなどを入力させられることがあったが、その内容が反動的なのを厭う気持が強かった。
攝津は、個別指導塾で二年働いたが、上司から、攝津さんもいつ迄もフリーターじゃ駄目でしょう、正社員の職を探しなさいと言われ解雇された。実質整理解雇だったが、当時は闘うことなど思いもよらなかった。馬鹿正直に、正社員の面接を受け続けては落ち続けた。馬鹿だったと思う。現実知
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