水平線に触りたい/石川和広
あなたは
あなたは
今何を思うの
車が走る
眼の表面にさけめ
脳の中のさかなめ
あなたは
あなたは
ぼくの言葉を
そのふるえを
感じるの?
疲れた肩に冷たい針
水平にさしこんで
あなたは働いている
わからないけど
電話つながらないから私があなたと私の間の凍み糸を
脳不覚深く刺し込むとき
とき
あなたのかつての笑いがおが蘇り
何とか幻想に気を取り戻す
雨がふり日は射さず
あなたの声が聞こえ
ない
聞こえ
ない
毛穴に柔らかくあなたの声を注ぎたいのに
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