願い/まさたか
 
しいものをいっぱい食べて
二人寄り添って生きていこう
結婚しようね
幸せになろうね

繰り返し繰り返し
約束した
貴方の病気が進むにつれて
いくつかのことは諦めた
でも本当はね
約束なんてひとつも叶わなくて良いんだよ

貴方が
生きてさえいれば
私は他になにもいらないんだよ




だから
私は薄暗い病室でひとり
貴方の息に耳を澄まし
貴方の胸に手を当てて
ことんことんと鳴る音を確かめている




まだ
大丈夫
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