雪/乱太郎
 
 雪

       乱太郎 作

雪がひらひら舞い降りて
少女の耳元
静かにささやく
――ごめんね
  冷たいでしょう

手のひらの上で
溶けていった雪に
少女はつぶやく
――ごめんなさい
  あなたはおとり
  罠に仕掛けた餌よ




 雪の罠    
        
       深千夜 作

雪の冷たさに
凍りついた
指先

私の手に
触れるのは
いつも雪


きっと

誰かの指先で
手のひらで
握り締められ

握り締めたい



雪の罠
しかけたのは私

ただ
あなたの手に
触れたくて


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