生命の森/朧月
どこまでも行くんではないですか?
そんな囁きがきこえそうな
森ではいつも会議が行われています
人類について
世界について
生命が
生まれては飛び立ってゆく
後ろも向かず
こんこんと今日も泉は湧いている
木漏れ日とは
木と木の間から差し込む光り
ああ
そんな当たり前な光景を知っていますか
汚れてしまった
そんな泣き顔のまま逃げ込んだ森
祖父母の時代から変わらぬ木と
崩れてしまった層
岩
は 立ちふさぐ
通しはせぬというような
それを よじ登ってとりついて
がくがくと 足 震わせながら
息を弾ませながら
たどり着いた
山頂
見よ
海が見える
あれは 隣の県だという
会議は続けられている
どこまでも行くんではないですか?
そう決定づけられている
私は ここから生まれた
そう決める
森は
山は
なにも言わず木漏れ日は優しく
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