冬の印象(小さな祝祭の)/
六崎杏介
あの、
アルビノの
冬の御空の
アルコホルは
暗き手椀に
満ちて香ります
また、
鉄による
シロツメクサの
賛美歌は
キリキリ宙に
足を揃えます
また、
蒼褪めた
コンクリートに
踊るのは
枯れたポプラの
鏡文字です
また、
エアゾルの
粒子の沈んだ
氷点の
架したる月に
フラワ零れます
そうして、
わたくしは冬の
こう云った事象を
殊に愛おしく思うのです。
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