わたしたちの全ての透明/ねことら
無防備な機械が肩口からのぞいているので、見ていると胸を締め付けられる気がする。きみは突堤にちんまりと立ち、用途不明の其の羽を気持ちよく海陸風になびかせている。明けがたの水平線は紫とダークレッドで輪郭を食み合い、すこしずつ砕かれ、音の凍りを波にかすかに散らし、この岸辺へとどけていた。二人以外に誰もいない(ここだけ風が凪いでるみたいだ)。きみはつっと足を止め、使い古したトートバッグを邪険にまさぐってデジタルカメラを取り出し、ゆっくり海に向かって構えた。まるでせかいの心臓めがけて、射撃手が狙いを定めるように。
わたしたちは、歯車の回転、歯車の回転、と異口同音に唱えながら、手際良
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