Walking Snowman/itukamitaniji
Walking Snowman
雪の降る寒い日に 僕は生まれたんだ
小さな少女の小さな手から
僕の不格好な 姿を見て無邪気に笑う
彼女の笑顔に心が温まった
短い僕の首に かけてくれた縞模様のマフラー
彼女のお気に入りだったけど
今夜は寒くなるからって 馬鹿だな僕の体は
冷たい雪でできているのに
別れ際何度も 僕を振り返っては笑う
彼女が小さくなってゆく
こんな温もりは きっと僕になんて勿体ない
彼女に返さなきゃ そんな思いが奇跡を呼んだんだ
動くはずのない僕は 歩き出したんだ
小さな足跡を辿って 彼女の姿を追っ掛け
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)