凪/都志雄
 
遠くで踏切りの音が聞こえる
どこに向かう列車だろう
真夜中すこし前、
僕にはもう
行く先なんてない
ここが僕の終点だもの

音量を絞ったラジオからニュースが聞こえる
君の
眼を細めて笑う
内面をそのまま映し出したような笑顔はいつも
僕の心のひだに沁みる

やがて ひたひたと
潮は満ち満ち
僕はまた
君の海に沈んでいく
遠くに雷鳴を聞きながら

オレンジ色のネオンサイン
今夜はこのまま灯しておこう

おやすみ
また明日
真っ白な砂浜に
風車が回りだすときまで



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