遺骨の前で ー詩友の告別式にてー /服部 剛
 
いう義父は 
幼い子供達に絵本を読んで聞かせた 
在りし日の友の優しい面影を、静かに語った 

骨壷の前に突っ立つ棒の姿で 
喪服の僕は、考える。 

まるでフィクションのような 
夢の如き一生の間に 
人は一体、何ができるだろう。 
どれだけ本当の日々を、生きれるだろう。 
いくつのかけがえのない思い出を、つくれるだろう。 

産声を上げ、立ち上がり、歩き続け 
いつか誰もが御多分洩れず、骨になる迄。 




戻る   Point(4)