呼び出し/瀬崎 虎彦
 
い仕事をするということなのだと理解している。
 だから理念ばかりで実務が出来ない人間や、ゴールが見えていない人間は、チームプレーにも個人プレーにも等しく向いていない。とはいえ、そういう人間と仕事をしなければならないことはよくある。環境に文句を言わないことは、よい仕事をする上での鉄則だ。文句を言われても文句を言わない。仕事の出来ない人間と組んだときには、独りで全体の仕事をすることもあるが、それは苦にならない。一緒にやっている、または誰かの分までやらされている、という印象を払拭すればなにも難しいことはない。
 だから頼まれごとを拒むことはない。それは一つの貸しであるし、好むと好まざるとに関わらず引き受けざるを得ない案件であることが多いためだ(同じ集団の中で依頼はは義務を意味する)。ご相談申し上げたい、といわれてそれが頼まれごとならよいのだが。それを考えていた。そうしたら小学校や中学校のころを少し思い出した。
 もうすぐ駅に着きそうだ。
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