うそつき/靜ト
うそつきなこどもだった
帰り道
鍵っ子だったわたしは
ひとりっきりの家に帰るのが
さみしくて、さみしくて
帰ろうとするMをひきとめようと
こう言ったのだった
「あのね、秘密おしえたげる、あたしとMだけだよ、他の子には言わないでね、あたしたち親友の特別な秘密だから」
息せき切ってそこまで言うと、Mはちょっと首をかしげてから、
いいよ
と微笑むのだった
「あのね、わたし、じつは人間じゃないの、本当はね、宇宙からきたの」
Mはきょとんとしてから
ふーん
と言った
わたしは慌てて付け足した
「だから、だ
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