【批評祭参加作品】好き勝手言わせて貰う【十年の、事実】/虹村 凌
。別に悪い事しろとか、ちょっと悪い事する位何だとか、そういう事を言いたいんじゃなくて、情熱と倦怠が同居するその一見矛盾した感覚が好きなのだ。それに速度が伴えば、言う事は無い。
…と言うような事をこの詩を読み返して、改めて実感した次第である。この詩は私にとって、実に気持ちの良い詩である。速度、混乱、その二つが絶妙に混じり合って、絵の具が新しい色を出す瞬間のような期待と不安、出所のわからぬ倦怠と歓びが入り乱れている。実に素敵な作品だと私は思うのだ。匂い、色、感情が鮮やかに、それでも少し色褪せて霞んだ感覚が、俺の中で膨れ上がって行く。いてもたっても、いられなくなるのだ。
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