それは、適切に壊れ続けるための/ねことら
 




暗闇のつくりかたはおしえてくれなかった、調剤を違えたことで淡くにじむ夜に、わたしたちの薄い網膜は死にかけたダイオードのようにうつくしく墜落していく、埃を纏ったディスプレイの熱を、いくつかの部品を失っているだけで、修復するのは難しいことではなかった、それも嘘かもしれない、弛緩した小部屋にいくつもの遺留品のような朝がねむっている、人工甘味料で固めた骨ばった軀をおしこめる、ばらばらとくずれてしまうのは夜だったろうかそれとも、







此処から正しい速度で離陸していく二つの人工衛星のはなしをしよう、昏いひかりのなかで、適切に壊れ続けるための方法をなぞっ
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