雑念の時間/朧月
どうしようもないことなんか
考えたくもないのに
どうしようもないことしか
考えたくない時間になる
昼間あれほど楽しかった想いも
すっかりふとんの中へ旅立ってしまったから
いい人ぶって優しい言葉をつぶやく
寒かったでしょうと だれかに言いたくなる
すれ違う人の厳しい顔に
出合って簡単に目を伏せるくせに
自分のことぐらいわかってるって
言ってしまってすぐ後悔する
ピンクか黒で1時間も
迷ってしまって後悔する
長い列に並びたくなくて
だれもいない場所に座りたくなくて
適当って言葉を連発しては
一緒って言葉にしがみつく
あのね ってまた言いそうにな
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