空の青/チャオ
 
道の上に立つ僕の姿は、哀れみに満ちた幼子のようだ
小さすぎるその体は、誰の目に触れることもない
駆け出すそのしぐさは、いっそう惨めなものにしてゆく
踏み切りの音が、注意を促している

ビルとビルの間では、捨てられた雑種の猫が
ふくよかな体を、縦横無尽に駆け巡らす。
真夜中でも消えない、自動販売機の蛍光灯が
小さな羽虫たちの、集合場所を照らしている

横を振り向いた影の形が、ロールシャッハテストに似ていた。
道の上に置き去りにされた人々は、頭上の空を眺めるだろう
電気が切れた工場の夜に、止められた資本主義はため息をつくのだ
僕はその情景の中で、小さな青い空を見る

反射された光が、空の青に吸い込まれていく
忘れ物を取り戻すのは、持ち主の仕事だけど、
戻りたいと願うのならば、惨めなその声で、
必死なまなざしを空に向け、泣き叫ぶのもいいだろう。
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