祈りの詩/itukamitaniji
祈りの詩
遠くへ向かう 船を見送って
僕は一人 海を見ていた
ほんの少しだけ 涙を流した後
紛らわすように 歌を歌ってたんだ
無邪気な祈り 持ててはしゃいでたっけ?
檻の中に 無理に閉じ込めて
生きる意味に すり替えた僕は
どれだけのものを 見殺しにしたの
楽しい夢から 醒めるような虚しさ
朝が来て見渡しても 見つからない
幻 だけどまた
掌にそっと 温もりを残して
消えた 寝ぼけたまま
胸に手を当てて それが治まるのを待った
いつかは忘れるさ なんて悲しい響きだけ残したまま
そんな風にずっと 日々は続いてゆく
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