僕の魂は劣化している/真島正人
 
ひどい色をした兎だ
毛の先まで汚れて
僕はそれを抱きかかえ
洗ってやった
「あっ」
と声を上げたのは僕さ
間違えていた
汚れていたわけじゃないんだ
それは最初から
薄汚れた色だった

昨日
一人きりで部屋にいて
数千キロを走ってみたんだ
どすんどすん
音が響くから
隣人が怒鳴りつけてきた
僕の体は笑っていたよ
ぜんぶぜんぶ
飲み込まれてしまったあとだったんだ

何から順番に話せばいいのか
迷ってばかりいる友達がいるんだ
大きな石段にぺたりと
しゃがみこんで
骨の隋からさえも力が抜けてしまっている
口は泡を吹いてはいないけれど
目は血走ってしまっ
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