指先にあぶく/あぐり
 
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呼吸をしていた
それなのに産声じゃなかった
あなたを呼んでいた
それでも求めてるわけじゃなかった

願いが響くなら
言葉の海に声を沈めて
それがあぶくになれば今すぐになれば
弾けた香りにすっかり微睡むだろ

(夢のなかの洪水に
わたしは押し流されていました。
教室の椅子が水にばらばらにされていたから
あの子の帰る場所が無くなるんじゃないのって思ってました。)

息継ぎの為に脱力をすることの諦めを知って
陸に上がったら空一面はりぼての青空で
耀いていなかった世界と対面してしまう
あなたの名前が青い文字で書かれていたから
読み上げただけ
たったそ
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