星の澱/水島芳野
 






















君の祈りが膨らんで破裂したから、その海の中できっと君の声が淀んで底の方に溜まってるだろうと、君は目を細めていったんだ。ミントの香りのうつくしい人魚の髪をゆっくりとすいているだろう、君の細く白い指が、いつ僕の喉を締め上げるかって、じつは気が気ぢゃなかった。だけど覚醒した。遊び心だとわらってくれるかい。君のたおやかな歌声が、いつしかこの海をやさしく染め上げることを祈ってた。ああ、僕も祈ってしまった!祈ってしまえばそべておしまいさ。おあつらえむきじゃないか。
いずれこの祈りも沈殿する。ただの屑さ!

耳をふさいだらやっと、きみの呼吸音が聞けた

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