琥珀の壁/真島正人
 
酔いに任せて
川を下り
逆行という逆行を
すべて成し遂げた。
僕は一羽の
白い鳥であり
羽は
すすけて汚れていた
年相応だ、と
誰かが僕に言った。

夕暮れから
夜に
世界がめまぐるしく移り変わるのを
目と
脳で
捕らえた。

そして
ウサギは目の玉を自分でくりぬき
そして
カモノハシはくちばしをはさみで切り取り
そして
リスは探し出した木の実をすべて噛み切り
そして
馬は憂鬱に蝕まれて倒れた
森の中は
血の色で
満ちたり、
ほとんど誰もいないので
静かだった

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